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【海外の鉄道】[ボスニア]国際列車日帰りの旅-サラエボ・プロチェ

<【海外の鉄道】[ボスニア]鉄道の概要
http://asian-train.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-cbd5.htmlの続き>

ボスニア・ヘルツエゴビナへは隣国モンテネグロから国際バスでやってきました。そんな訳で、この国の鉄道にまだ乗っていませんので、丸一日「乗り鉄」をするべく、サラエボからクロアチアの港町・プロチェまで日帰り鉄道の旅をしました。

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲サラエボで出発を待つプロチェ行き。4両編成に見えますが、最後尾の4両目は切り離されています

前回記事の「ボスニア鉄道の概要」の地図を見てもらえると分かるのですが、サラエボからアドリア海に伸びる鉄道の終点プロチェ付近はクロアチア領となっていて、クロアチア鉄道の飛び地となっています。サラエボ・プロチェの距離は200km程度で、もともとユーゴスラビアであったのものが、現在は2国間の国際ルートになっています。それぞれ区間列車は何本かあるものの、全線通しの列車は一日2往復のみで、日帰りを考えると乗れる列車は限定的です。

今回の乗車したのは、計4本(トーマスクックの時刻表参考)
・391列車サラエボ07:05/プロチェ11:00
・390列車プロチェ17:00/サラエボ20:59
そして、プロチェからクロアチア国内区間折り返し列車があったので、
・プロチェ12:47/メトビッチ(Metkovic)13:13
・メトコビッチ13:25/プロチェ13:50

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲プロチェ行きに使われている元スウェーデン国鉄の客車

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▲2等室内はオープンタイプのクロスシートですが室内に仕切りがあります

サラエボ駅でプロチェ往復の2等切符を買うと料金は37.50KM(日本で約2000円強)と激安。いよいよ列車に乗るためにホームに上がると旧ユーゴ圏ではおなじみのコンカール製の441形交流電気機関車を先頭に1等1両、2等2両の計3両の客車編成でした。見慣れたUIC客車とは違う独特なデザインで、しかも側面はコルゲート仕様。どこかで見たことのある客車と思いながら客室に入るとウッディな雰囲気で、室内隅に貼ってあったプレートからスエーデンの支援で譲渡されたものであることがわかりました。

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲サラエボからモスタルへ校外授業でしょうか・・・。ハイパーテンションの学生さんたち

列車は7:05定時にサラエボ駅出発。最後尾のコンパートメントに陣取りましたが、校外学習の生徒のような人たちがいっぱい乗っていて、なぜかハイテンション・・・。東洋人が珍しかったのか写真をたくさん撮られてしまいましたので、こちらもカメラを向けて撮り返しました。

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲サラエボから来るとコニツ手前にある大ループ線、対岸の裾に線路が走っているのが見えます

サラエボとコニツの間には山岳地帯があるため出発して30分もすると山間地へと入ってゆきます。カーブやトンネルで峠を越えたかなと思って、窓から外を見ると眼下に、線路が3段になっていて、コニツの街も一瞬見ました。この区間は山裾にセミループを使って何度もいったりきたりしながら勾配を下ってゆくもので、釜石線の陸中大橋駅というレベルではなく、日本なら必ず鉄道名所になるに違いないところで、ひとり感動しているうちに下り終わってコニツ着。

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲コニツから先は川に沿って、只見線のようです

コニツからは、渓谷にあるダム湖に沿って走り始めて、磐越西線や只見線のように川の車窓が広がりました。途中せき止めているダムは見えませんでしたが、ダムの下流で再び合流して川沿いに進んでゆきました。川の景色に見とれているうちに、ボスニアの有名観光地であるモスタルに15分ほど遅れて9:40着、3分程停車。

サラエボから一緒だった校外学習の学生たちも降りていってしました。そして、途中から同室だった少年ふたりも降りていったのですが、後になってから車内販売からお土産用に買ったリキュールのミニボトル2本が盗まれていることが判明。鞄の外ポケットに入れるところ見ていたのがこの二人だったので、ちょっとした隙にやられたようです。

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲モスタル到着。学生たちが降りて行き車内が空きました

モスタルを発車しても川に沿って走りますが、山の高さもぐっと低くなってきて車窓には畑などが多くなってきました。そして、10:25にボスニア側の最後の駅となるキャプリナ(Capljina)に到着、15分の停車の間にボスニア鉄道の機関車からクロアチアの機関車へと交換、乗客の方は出国手続きを行いました。

そして列車は再び10分ほど走って、クロアチア側に入りメトビッチ駅(Metkovic)に到着。10分ほど停車して今度は入国手続きを行います。以前なら一つの国で、スルーできたのが数キロを隔てて機関車交換、出入国やっているので、しょっちゅう利用する人はわずらわしいかもしれませんが、このようなものは日本の乗り鉄では味わえないものなので、自分的にはとても面白く思っています。

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲キャプリナ到着。サラエボ方面への貨物列車(左)とこれからプロチェ行きの牽引となるクロアチア国鉄の機関車(右)が機回し中

キャプリナからは、ブルーを基調としたクロアチアの機関車に引かれて終点プロチェへ。大した距離ではないのに、国境を隔てて建物も機関車も小奇麗になった感じで、線路も整備がしっかりしているのか乗り心地も良くなった気がしました。

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲11:20に行き止まり式のプロチェ駅に到着しました

国境駅メトビッチを出発して所要約20分。終点プロチェ駅に11:20に到着しました。定刻よりも20分遅れでしたが、このあたりの鉄道では気にする遅れでもなく、もちろん、この程度で騒いでいる乗客は皆無です。

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲プロチェ駅で買った「プロチェーメトビッチ往復乗車券」。エドモンソン券のなのがたいへんうれしいです

列車から下車して、プロチェは国際列車が到着する駅なので両替所ぐらいあると思っていたら、無残にもありません。さらに国境近くなので、ボスニアのお金が使えるかとレストランや売店で尋ねるも受け取り拒否。結局、売店で教えてもらい駅近くの銀行のATMでキャッシングすることでクロアチアの通貨が手に入りました。

それにしても、今回はサラエボで往復切符を購入しているのでお金がなくても帰ることはできますが、仮にここでATMが使えず、現地通貨が手に入らなければ帰りのキップも購入できなかった可能性もありました。

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲メトビッチ行き区間列車が入線してきました。機関車1両に客車1両というスタイルは、日本では絶滅した列車形態で、感動的です

さて、プロチェ駅では夕方17時発のサラエボ行までけっこう時間があります。駅にある時刻表で調べると12:45発プロチェ→メトビッチ13:10着、折り返し13:23発→プロチェ14:00着が確認できました。国内区間列車に乗ることに即決して、窓口で往復乗車券を頼むとエドモンソンタイプ(硬券)が出てきました。最近の欧州では、このタイプのキップは少ないのでとてもラッキーです。

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲メトビッチ到着。側線にはボスニア方面への貨物列車が待機中

ホームに入ると区間列車は、先ほど乗ってきた合間運用と思っていたら、別立て編成で1141型交流機関車(旧ユーゴ441型のリニューアル型)とUIC客車1両というかなりシンプルな編成でした。出発時間が近づいても乗客は少なく、10人ぐらいで出発。メトビッチとの間には無人駅は3つありましたが、停車毎に1~2人が降りてゆくというパターンでした。

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲クロアチア国境のメトビッチ駅

短距離運用ということもあって遅れることもなく時刻通り13:10メトビッチに到着。折り返しのため着回し作業が始まりました。わずか10分で折り返しとなりますので、駅からでることもせず、その作業を眺めてからガラガラの客車に乗り込み、14:00に再びプロチェに戻ってきました。これから17:00のサラエボ行の時間までは、駅から直ぐの港を散歩や買い物をして、アドリア海を見ながらカフェでビールなどを飲んで過ごしました。

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲17:00発のサラエボ行き。当然来たときを同じ編成です

17:00発サラエボ行きは、当然、来るときと同じ編成で、メトビッチ駅出国で、キャプリナ駅での入国手続きとキャプリナ機関車交換があり、サラエボ駅には20遅れの21:20分に到着しました。サラエボ駅前には、市街地行きの路面電車が待っていてこれに乗ってホテルへと戻ったのでした。

日本で片道200kmというとたいした距離ではありませんが、国境と山を越えて一日掛かりで一往復すると「その何倍の距離を乗った」ような気がします。

[2010.05現地訪問]

<【海外の鉄道】[ボスニア]サラエボ発サグレブ行396列車
http://asian-train.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/396-a935.htmlに続く>

サラエボ・プロチェ鉄道の旅
▲キャプリナ駅でクロアチア鉄道の1411型(右)からボスニア鉄道の441型(左)に交換されました

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