【海外の鉄道】〔イタリア〕無刻印乗車で罰金を払う
<海外の鉄道】〔イタリア〕路面電車が走る街トリノhttp://asian-train.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-a4af.htmlの続き>
ヨーロッパの各国鉄道では、改札がないために車内検札が重要視され、車掌がまわってきて必ずきっぷをチェックされます。イタリアも同様なのですが、少々違っていて、乗車前に自分でホームにある刻印機でキップに駅名と日付を印字することが基本になっていて、それないことが検札で分かると即罰金。ただし、ユーロシティ・イタリアなど事前に座席が指定される列車は、きっぷに日付が入っているのでこの作業はいらないのだそうです。
▲罰金を払わせられたR2521ミラノ発ジェノバ経由アルベンガ行
この情報は、どの旅行ガイドブックにも載っているのでイタリアで鉄道旅行をするなら常識なのですが、習慣となっていない日本人は忘れてしまうものです。刻印機は、ホームの出入り口付近にしかないため、気がつかずに通りすぎて、行き止まりホームで先頭まで行って気付いたならば、延々と戻ってきてその作業しなければなりません。しかも刻印機が壊れていることもあったりするので困ったものです。実際に日本人旅行者が壊れた刻印機にきっぷ入れて「これでいいのか??」などと迷っていて「それ壊れてますよ」と何度か言ったことがあります。
と、いろいろゴタクを並べたもののトリノへいった次の日にミラノからジェノバへ向かうR(レッジョナーレ/普通・快速)に無刻印で乗ってしまい見事に罰金50ユーロを払わされたのでした。
このときはミラノ駅で発着番線が発車10分前になっても表示されず、それに気を取られて、入線してきた列車にあわてて乗り込み、そのまま安心してしまいました。刻印がないことに気付いたのはジェノバ到着1時間前で、車内には刻印機はありませんので後の祭りで、ヤケクソで自らボールペンで駅名と日付を書き込みをしようと思ったものの、検札が来ない幸運を願いました。
▲ローマの国際空港駅の刻印機。これだけ目立つと分かりやすいのですが、そうでもない駅も多い
いよいよ車掌氏が車内へやってきて検札をはじめました。いよいよ自分にところにやってきて、きっぷを渡すと受け取ったと同時に「刻印がない」と上から目線で話をはじめました。一瞬、外国人なので、大目に見る可能性を抱いて「日本人旅行者でして、イタリアは始めてで・・・、そんでもって急いでいて忘れたんだ」と語ってみたものの、車掌氏はキップに裏に書いてある注意書きの英語部分を指差して「50ユーロ罰金!」と既に犯罪者扱いの雰囲気。いよいよ他の車両の車掌も集まってきて、ものものしい雰囲気となり、周りの乗客は「有色人種が何かやらかしたわよ。やーね」という良くある視線。
▲これが車内で発行された50ユーロの 罰金伝票
車掌氏は「この場で払え」とのことで書類を書き始めました。書類が発行されてしまうと粘ったところで見逃すことはないでしょうから、どうせ払うにしても悔しいので「15ユーロ」を差し出したら、車掌一群が「ナントナカントカ」とおそらく罵倒する言葉らしきことを発して、メモに「50」と書いて表示。こちらは「高け~!高け~!」を連発しながらしぶしぶ50ユーロを出したのでした。なんと、ミラノ・ジェノバ運賃9.10ユーロに対してなんと5倍の罰金。
ユーロ札を受け取った車掌氏は、「もうするんじゃねぞ、このやろう」的な雰囲気のイタリア語を発して去っていったのでした。刻印を忘れたのは自分のミスでそれがルールとえば、そうではあるのだが、なんかものすごく精神的ダメージを受けてしまいます。路面電車のように車内に刻印機でもあれば・・・と思ってしまいます。
▲なんとなく重い足取りで降り立ったジェノバ・プリンチペ駅
その事件の後、インターネットで「刻印を忘れて乗車した場合には、すぐに車掌さんにいって、日付を入れてもらえばOK」なんて記述を見たのですが、どうも「女性だった」ので大目に見てもらった可能性があるような。実際にはどうのかチャレンジするにしても、そうでなかった場合は、わざわざ50ユーロを払いに行くようなものです。究極の話、罰金を喜んで払うならともかく、非座席指定の列車に刻印がなしで乗ったことに気付いたら最寄駅で一旦降りて、刻印ののち次の列車で向かった方がよいのではないかと思います。もっとも、女性ならば見逃してくれる可能性はありそうですが・・・。
<【海外の鉄道】〔イタリア〕港町ジェノバの鉄道乗り歩き<その1>ナローボディのジェノバ・メトロhttp://asian-train.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-eda4.htmlに続く>
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