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【書籍】地方都市再生論/藤波 匠著

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現在の地方におけるさまざまな問題をいろいろな視点で提起していて、なかなか参考になる本で、地域活性化などの成功本などはイケイケのムードが漂いますが、この本はシビアかつ辛口なところがこれまた良かったです。一通り読んで自分の住む地域を見てみるといろいろ見えてきそうです。

地方都市再生論~暮らし続けるために~
藤波 匠著
日本経済新聞社
定価2100円
320ページ
ISBN-13 978-4532490959
発売日 2010/6/19
商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.6 cm

<<目次>>
はじめに―地域の持続性を確かなものとするために
序章 誰のための地域活性化なのか
地方都市からは繁栄の面影すら消えてゆく/人は去り、ビルの間を寒風が吹き抜ける/自己目的化した地方活性化

第1章 変わり行く時代・沈む地方
1.人口減少・高齢化
 地方で進む人口減少/高齢化率も高まる地方の現状/社人研推計よりも厳しい現実が地方を待ち受ける/今後も続く地方からの人口流出/無視できない海外への流出
2.産業の一極集中とグルーバル化
 地方経済の停滞/経済規模の小さい地方の限界/地方における支店経済の弱み/グルーバル化の進展と地域産業の衰退

第2章 東京から地方への配分機能は持続可能なのか
1.富を生み出しているのは誰か(産業構造の転換と地方の生産性の関係)
 景気低迷の長期化で進む産業構造の転換/地方の第三次産業の低生産性
2.東京一極では支えきれない地方
 人が集まっている割には成長できない東京/大都市の成長力は弱まっているのか/東京一極で支えるためには高度成長が必須

第3章 煽られる地域間競争
1.三位一体の改革/地方自治体財政の絞込み
 地方に試練を与えた三位一体の改革/絞り込める地方自治体財政/途方交付税増額への揺り戻し/交付税増額は非常事態措置、一刻も早い脱却を
2.賞賛されるごく一部の成功例
 地方活性化の成功事例/全ての地域が成功者とはなれない/先行者のみが成功の果実を得られる
3. 企業に利用される地域間競争
 過熱する企業の誘致合戦/ミスマッチが拡大する企業と自治体の時間軸
4.道路建設信仰の愚かさ
 時代の変化に取り残された道路必要論/なぜ道路は造られるのか
5.インフラの誘致合戦が地方の財政を疲弊させる
 ストックの維持管理・更新の費用負担に耐えられるか/簡易水道は地方の泣き所/老朽化した公共住宅はスラム化する恐れ/ドイツの「減築」は救世主になるのか/人口減少を前提としたインフラ整備
6.人口の取り合いの愚
 注目を集まる集客産業だが/自治体の人口争奪戦/その事業は何のために行うのか

第4章 住民の錯誤
1.かわいい子には旅をさせるべきか
 諦めが支配する限界集落/村おさめは日本の歴史の放棄/インフラセイビデ村は魅力的な暮らしの場へ
2.未だ引きずる土地神話
 供給され続ける住宅/政策的に誘導される持ち家如志向/経済成長が後押しした持家信望の限界/農地転用が開発の受け皿になる/郊外への住宅供給が地価を引き下げる/地価下落は地域経済の疲弊を引き起こす/潤沢な土地供給は景観も悪くする
3.中心市街地活性化の本質とは何か
 商業施設の郊外化と中心市街地の商店/郊外見製も地域経済を引上げられない/硬直的で負の側面があらわになってきた都市計画/広すぎる地方都市の商業地域/中心市街地を暮らしの街に/商業空間をコンパクトで魅力的に

第5章 行政の驕り
1.うまくいかなかった中心市街地活性化
 乾いた砂に水のごとき活性化予算/10年以上の歴史がある中心市街地活性化基本計画/散々だった第1次中活計画/6.5兆円はどこへ消えた/駐車場不足は本質ではない/人口減少の抑制には、わずかに貢献
2.中心商店街が競争力を失ったわけー「政府の失敗」の視点から
 中心商店街の競争力低下は政府の失敗の側面も/政府の失敗1『行政にとって「計画」とは何だったのか』/政府の失敗2『過保護から競争社会に放り出された中心商店街』/政府sの失敗3『役人は商人にあらず』/政府の失敗4『率先して都市をスプロールさせてきた行政』
3.第二次中心市街地活性化基本計画はうまくゆくのか
 第一次中活計画とほ差異/第二次中活化計画の目標達成可能性/行政による行政のための計画/地方の活性化に国が口を出すべきか
4.市役所リニューアルの功罪
 行政設置の公益施設の限界/新庁舎建設が中心市街地活性化の起爆剤となるのか
5.幻想の経済波及効果
 景気対策としての公共投資/産業関連表による公共投資の経済効果は誇大広告/地域の生産性を高める公共投資を
6.地方自治体は何のためにあるのか
 地方分権を求める分権化定理/市町村合併も効率化に向けた取り組みの一つ/市町村合併による効率化の効果/硬直化する財政と採用抑制の弊害/税収よりも人件費が大きい自治体/画一的ではない公務員や地方自治体のあり方

第6章 地方には地方の道がある
1.変わり行く時代への対応
 大きな時代の変化に対応すべし/政権交代土地法分権/中抜き構造の浸透/中抜きの地方への影響/グローバルリゼーションと新興国の台頭/変り行く国の形
2.模倣えの排除で地域の多様化を促進
 国主導の地域活性化策―モデル地区の罪/リトル東京という幻想/地域の多様性が持続的発展の原泉/人こそ財産
3.地に足の着いた地域像の設定と共有
 山梨の地域資源は果樹か/地域資源を生かした活性化策/関係者による地域像や理念共有
4.本章のまとめ

第七章 人口減少に耐えうる土台づくり
1.土地利用のあり方を根本的に見直す
 新しい土地利用の発想/開発志向から持続可能な都市へ/居住者を増やし、商を呼び込め/中心市街地の新たな居住者/有機的用途混在によるモザイク都市の形成/公共施設の都市中心部回帰/公共施設は公共交通の結節点へ/既存都市エリアの再開発と賃貸重視の住宅政策/自動車の排除・徒歩や自転車の見直し/歩行環境整備の視点
2.人口流動のダムを築く
 人口流出を食い止める/日本全体の成長戦略/地域の成長戦略と地場産業の育成/ものづくりの基本は差別化/高級スポーツカーはどこで売れているのか/輸出で稼ぎ内需を喚起/海外からの人材を獲得する/広域経済圏で人口流動のダムを築く/東京は如何にあるべきか
3.行政の役割を考える
 裏方へと回り始めた行政/地域コーディネーターとしての行政の役割/行政こそが改革のトップランナーたれ
4.本章のまとめ

第8章 過疎の集落が持続を備えるために
 不可欠な学校の存続/都市との連携に活路を見出す/オリジナルな活性化策への参画

おわりに
参考文献
索引

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