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【鉄道】くりはら田園鉄道の保存車両等が明らかに・・・鉄道史学会

7/4に栗原市築館にあるエポカ21において、鉄道史学会2009年度第1回研究例会シンポジウム「くりはら田園鉄道の歴史と遺産」が一般公開形式で開催され、学会関係者及び市民など約100名が参加して開催されました。一応、学会という名前はついていますが、事実上、くりでん保存検討員会の結果を公表する内容ですので参加してみました。

鉄道史学会の関係者の中には、著名な方々がずいんぶんと見えていまして、マスコミも地元中心に多数参加、市民参加者には、これまでくりでんにかかわっていたがたくさんいました。

さて、プログラムは下記の通りでした。

日時:2009年7月4日
会場:くりはら市エポカ21
主催:鉄道史学会
協賛:栗原市
●開会の挨拶・・・老川慶喜(立教大学)
●くりでん資料を未来に
   -宮城資料ネットの保全活動-・・・平川 新(東北大学)
●宮城県の鉄道発達史とくりでん・・・高嶋修一(青山学院大学)
●くりはら田園鉄道の諸建築について
  -若柳駅舎(本屋・機関車庫)及び沢辺駅舎・・・長井康雄(東北大学)
●大河原・村田・蔵王を走った仙南温泉起動・・・岡崎明典(白石高校)
●パネルディスカッション「戦後のくりでんを語る」
  進行役 大平 聡(宮城学院女子大学)/パネリスト くりでんOB3名

開会に先立ち、佐藤勇栗原市長から挨拶があり、その中で、保存場所については、
『若柳駅構内』
『動態保存を行う延長は700m』

ということを言っていましたので、保存されることは間違いなさそうです。

続いて、プログラムの平川さんによる「くりでん資料を未来に」の発表が行われ、宮城資料ネットの活動報告につづいて、これまでベールに包まれていた「くりはら田園鉄道の資産の保存活用に関する検討委員会」のメンバーや活動内容が紹介され、そして、くりでんで『何を保存するか』の発表が行われました。

それによると、

<車両関係>
KD95・・・保存(たぶん一部)
KD10・・・保存(たぶん一部)
M15・・・保存(たぶん一部)
M18・・・保存せず
M182-183・・・保存せず
C15・・・保存せず
ED20・・・保存
DB10・・・保存
ト10・・・保存
ワフ7・・・保存
保線用モーターカー・・・不明
<駅舎関係>
若柳駅・・・保存
若柳駅車庫・・・保留
若柳駅検修庫・・・保留
本社・・・保留
沢辺・・・解体
その他の駅については、保存対象外

発表されたものを見ると、概ね予想通りというところでした。また、参加者の中からも「予想通り」との声が聞こえました。

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▲保存される車両を発表する平川さん(検討委員)  

          ★

くりはら田園鉄道の保存については、実は、廃止のずいぶん前から市民らによる廃止後の保存活動を目指す動きがありました。その動きは、新聞、テレビ、ラジオなど各マスコミでも取り上げられ「行政、学識、市民が一緒に検討」を主張していたにもかかわらず、市民を排除した形での保存検討委員会が立ち上がり、検討が進められました。委員会は、非公開で行われていたために、その内容は本日まで公開されることはありませんでした。

当日の発表を聞いていると廃止の前から「産業遺産」というキーワードで保存への機運を盛り上げた市民の方々の努力や活動は、まったく無駄だったように思えてきました。結局は、行政が選んだエライ先生たちやってきて、すべてを考えてくれ、『市民は黙ってそれに従え』ということで何もしなくても良かったのかもしれません。

思い返せば、検討委員会での結論が出ていないときは「車両や資産には、市民に手を付けさせない」といわれ、そして検討委員会が保存の結論を出した途端に「検討委員会が方針を決めたので、市民には手を付けさせない」というのが現実で、それを表すように沢辺駅舎については、地元で購入して保存しようとの話もありましたが、既に『解体』が決定していて、地元でも、もう取り付く暇もないのが実態です。

今回、保存対象物が選定されましたので、今後は、保存や展示の方法を考える委員会が再びできるそうで、こちらも市民が入るのかは疑問で、委員会が決めたものを「あとは、だまって、栗原市民やマニアが下請けとして保存活動をやれ」という感じになるのでしょか・・・。

栗原の人たちは、素朴で良い人が多く、行政が決めたこと、学識が決めたことに対して、あまり疑問をもちません。このような気質だから廃止にもなったわけで、その代替バスもやばい状態となるわけですが、たぶん「東京のエライ先生がくりでんを残してくれた」とありがたく思っている人は多かもしれません(笑)。

もう済んだことなのですが、検討委員会のみなさんももうちょっと、地に下りて地元の活動をして方々からヒアリングや交流をしてみてもよかったのでは、と思います。もしもの話でしょうが、検討委員会に市民が入り、地元で活動を行っている方々とワイワイ交流を持ちながら進める検討委員会であったならば、お二人の委員も、もしかすると亡くなることはなかったかもしれません。

検討に市民が入ったか入らないか別として、くりでんが保存されることは決定したわけで、ぶつぶついいましたが、もちろんそれは喜ぶべきことであります。

        ★

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▲意外に受けた高校生の発表。マスコミにも受けてました

さて、プログラムの方ですが、
仙南温泉軌道の白石高校の岡崎さんの発表は、熱い思いが伝わってきて面白かったと思います。マニアであることを隠さずに堂々と発表する姿は今後を期待させました。

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▲パネルディスカッションの様子

そして、最後のパネルディスカッションの「戦後のくりでんを語る」。
パネリスト3名は、大勢の前で発言することには無理が高齢な方で、司会の大平さんが誘導尋問みたいなこと一生懸命やるのですが、発言がまったくかみ合わず、見ていて何も得るものはありませんでした。高齢な方は体調もあるのですから、ビデオなどに証言を記録したものを見せるなどをしても良いのではないでしょうか。会場からも気の毒がるため息が出ていました。

それに加えて、パネリストOBに細倉鉱山において、捕虜なのか、囚人なのか、強制労働者なのか、単なる朝鮮人出身の労働者なのか区別がいまいちはっきりしない断片的な発言にもかかわらず、無理やり「強制労働」に誘導して発言させて、司会役の大平さんが「これは重要な証言です。みなさん!」と煽っていましたが、違和感があり「反戦や反日活動に話をもって行くならば勘弁してよ」という気分になりました(涙。

本来、地元には、ああいう場所に強く話題も豊富なくりでんOBがたくさんいるのに、司会者の方は、地元とのパイプがあまりないのかなと思ってしまいました。

       ★

本来であれば、検討委員会が出した結論受けて、栗原市がマスコミ向けにリリースを出しても良さそうですが、それもないため、保存内容やその理由を知る上では有意義な学会でした。保存はこれからが本場です。

なんだかんだいっても、『祝』・くりでん保存決定です。

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 2007年3月廃止になったくりはら田園鉄道、旧栗原電鉄、通称「くりでん」については、当ブログでも過去に廃止直前に訪れた旅行記を書きました(→こちらとこちら)。そしてこの度、たまたまその廃線跡の現況を見る機会に恵まれましたので、その状況を写真付きで簡単に述べてみたいと思います。  なぜ栗原に行ったかといいますと、さる4日、栗原市で以下のようなシンポジウムがあったからです。シンポジウム 「くりはら田園鉄道の歴史と遺産」主催: 鉄道史学会  協賛: 栗原市 1. くりでん資料を未来に―宮城資料ネッ... [続きを読む]

受信: 2009年7月12日 (日) 00時20分

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